2009.01.03[土] グッバイシンフォニー
本編逞造・狂気に呑まれたら
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狂気に呑まれた。
気付いたら辺りには何もなかった。
それはきっと、精神世界に飛ばされたからだろう。しかし前とは違い、体が重い。
「うっ…、…」
狂気に感染したのは自分ではなく、
パートナーのソウル。
最近、戦いが一層激しさを増し、彼のピアノなしには戦えなくなっていた。
頻発する狂気の宴に、ソウルはマカの退魔の波長をもっても
黒血の進行を抑えられなくなっていた。
しかもそれはソウルと小鬼だけが知ることで、マカには知らされていなかったのだ。
苦しげに、何かに堪えていたのは知っていたけれど、
大丈夫、そればかり繰り返すから。
それに、戦うしか、残されていなかった。
襲い来る狂気の波長が疾風のナイフとなって向かい来る。
それは無数の針と言ってもいい。
いつもと様子の違うソウルを気遣いながらのマカは、
絶え間なく振る無数の針に判断力を欠き、立ち止まってしまった。
『マカ!!』
ソウルはマカを庇うために、人に戻ってマカを抱きしめた。
「ソウル、駄目!!武器に戻って!!」
そうマカが叫んで、泣いても、
ソウルは強く抱きしめて動かなかった。
勇気は底をついた。
彼女が気付いた時には、彼は完全に狂気に呑み込まれる寸前だった。
それでも狂気の波長を背に必死に抑えていた恐怖に立ち向かい、
マカを失う恐れに負けた。
流れ落ちる、黒い血。
体中が、染まる。
泣き叫ぶマカに、じわり、じわりと染み込んだ。
あぁ・・・
そうだ…私も呑まれたんだ。
彼を失った恐怖に。
「…違う。ソウルは生きてる。
誰よ。勝手に話を作るのは!」
意識を取り戻して立ち上がれば、足元で水が揺れた。
狂気の海が、揺れた。
マカがぐるりと辺りを見回すと、紅い水面下に自分ともう一人。
そこからぐぐぐっと伸びて来た腕に、マカは後ろに跳ねのいた。
『ソウルは生きてる?あんたが殺したのによく言うわ』
姿を表したのは、黒いドレスに身を包んだ自分と、そこに倒れたソウルだ。
黒いドレスは、以前自分が精神世界で来ていたドレスだ。
あれを着てソウルがエスコートしてくれた・・・。
マカは倒れ込むソウルの元へと、走った。
「ソウル!!」
足元がぬかるんだ。上がらない足に、もがく。
『無ー駄!ココ、精神世界って忘れたの?
ソウルはアンタを守れなくて、死んじゃったの。』
ドレスを着た自分がソウルの頬に手を添えて、哀しげに瞳を伏せた。
「違う!ソウル!!目ぇ覚まして!!」
もがけばもがくほど沈む。
もう手を伸ばしてもソウルは眠る。
本当に死んでしまったの?
マカの脳裏によぎる不安、思わず泣きそうになった。
(ソウルのいない、世界なんて。)
『そう、あんたに力がないから。でもあたしなら戦える』
彼女が立ち上がって、狂気に満ちた瞳をマカに向けてきた。
足下に倒れる、ソウルが静かに沈んでいく。
「違う…死や恐怖、狂気と戦う勇気に、ホントの強さがある!
恐怖に染まらない勇気、ソウル!!ソウルが教えてくれたんだよ!」
『ソウル頼って戦って結局死なせたあんたが何言っても無駄!』
疾風が頬を切った。
彼女は紅い鎌を構えていた。
そして次の瞬間は目の前に、鎌は首に当てられていた。
ソウルが視線の先でまた、沈む。
『ソウルを助けたいんでしょ。私と変わって。』
ぎらりと鈍く光った深緑を、マカは強く、見つめ返した。
「ううん。あなたは私。
ソウルを助けたいの。力を貸して。
あなたの、恐怖、受け止めるから。」
そう。
目の前で鎌を持つのは恐怖だけに染まった心。
忘れていたのか、マカは目をつぶる。
恐怖を受け入れる準備はたやすい。
ふつふつと燃える魂に呼び掛けた。
『…ソウル!!』
瞬間、目の前にいた自分は消えて
代わりに自分がドレスを着て立っていた。
そして、景色が灰のように崩れ落ちて飛んでいく。
サァァァァ・・・と、開けた世界には淡い蒼い炎が灯る。
そうして照らされた静かな部屋には一台のグランドピアノ、そこに佇む彼。
向かい合って、彼は口の端をあげて笑った。
「やるぞ」
「うん!」
彼は椅子に座る。
隣に並ぶパートナーに、勇気。
「マカ、俺だけを感じてろ。他には何もいらねぇ」
「うん。」
ピアノと同時に、マカは目を開いた。
戻った世界には血に塗れたソウルなんていない。
吹き付ける狂気のナイフも、怖くない。
それどころか、沸き上がる泉のように、心が勇気で満たされていった。
「魂の共鳴!!」
恐怖した自分に愛。
打ち勝つ勇気を讃え。
二人なら、出来る。
「…お前の魂いただくよ!」
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<マカかっこいいよね!!>:clap
なんか、狂気に呑まれた話を書きたかったんだけど、
うまくいかないなぁ・・・
でも、俺だけを感じてろが書けて満足。
マカはどんなに恐怖しても、自分で這い上がって来れそうだけど、
そこには絶対にソウルが関わってて欲しいんですよ。
・・・というか、地味にソウルがヒロイン側にいるんですよね、この話。
いいのか?
微妙に、え、違うよみたいな設定があるかもしれないですが
ソウルはもともと狂気持ってるんです・・・か?
いまいち信じられないのですが。
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